「ピザ窯を自作して、出来たてアツアツのピザを好きなだけ食べたい!」
そう一念発起して実家の庭にガッツリ2層式アーチ型ピザ窯をDIYしちゃった男、ナミカワです。
実際いくらかかったの?本当に焼けるの?壊れないの?材料は?
などなど、今日はこれからピザ窯をDIYしたい人のギモンを解消していきたいと思います!
ピザ窯を作る前に
ピザ窯作りが可能な場所、適した場所
僕は岐阜県内の実家の庭にピザ窯を作りました。普段BBQなど頻繁に行っているので全然問題有りません。しかし、自治体によっては私有地内におけるBBQやたき火などに対して規制を設けている場合もありますので、不安な方は一度自治体に確認してください。
また、発生する煙などによって近所トラブルになる可能性もありますので、ご近所さんとの関係性にもご注意を。その場合も各自治体の迷惑防止条例などを参照ください。
ピザ窯でピザを焼く際には燃焼室に薪をくべて燃やし、焼き床室が300℃~400℃まで上がります。万が一事故が起きた場合も被害を最小限にするため、周囲に燃えやすいものを置かないで、土台がしっかりと安定するよう、十分な広さの平らな地面を確保しましょう。完成したらそうでもないですが、DIYしている最中はコンクリートを混ぜたり木材をカットしたりといろいろと作業がありますので、そういった作業スペースも確保できているとベストです。また、耐火レンガやコンクリートなどはかなり重量がありますので、可能であれば車などでなるべく近くまで運べることにも留意できるとなおよいですね。
- 各自治体の条例やご近所トラブルに注意を。
- 周囲に燃えやすいものが無い。
- 十分な広さの平らなスペースである。
- 近くまで車で荷物を運べる。
上記のポイントを押さえた場所であれば、バッチリ立派な窯を作ることができます。
ざっくりサイズを認識するための設計図
なんとなくスペースは確保できそうかな、と思っても、実際に作ってみたら入らなかった!となってしまっては大変なので、ざっくりとしたサイズ感を把握するために設計図を書いてみましょう。
これは僕が「SketchUp Free」という無料のCADソフトを使って書いたものです。調子に乗って「CADで設計図こまかく作ってから始めよう!」と思って書き始めましたが、素人には無謀すぎました。ここから全然進まず、結局作りながらあーだこーだ良いながら修正していきました。ので、全然手書きでOKです。
ピザ窯本体をほとんど地面から作っていっても良いのですが、灰かき棒などの道具や薪などを入れておくスペースにもなりますので、しっかりと土台を立てた上にピザ窯を作っていくことをオススメします。
僕の場合はコンクリートブロックをタテ3つヨコ3つ並べて土台を設計しました。1個の長さが約40cmなので、120cm四方くらいのスペースが必要になることが分かります。設計の時点では3段ずつ重ねる予定でしたが、実際は2段ずつの方が安定感があって良いのでは、ということで2段にしました。
土台、ちょっと大きいかな?と思いましたが、今ではとても満足しています。スペースがあるならこのくらい広めに作るのがオススメ。
ピザ窯本体の大きさは、ピザを入れる入り口の大きさから逆算するとよいです。あまり大きすぎると窯の温度を上げるのが大変ですが、小さいともちろん焼けるピザが小さくなります。一般的なピザピーラー(ピザを出し入れする大きなしゃもじみたいな道具)の幅は12インチ(約30.48cm)なので、僕は少なくとも35cmくらいは確保できるように作ると良いと思います。
そうすると、だいたい幅90cm×高さ110cm×奥行き100cmくらいは必要になると思います(アーチ型2層式ピザ窯の場合)。
- 設計図を書いて(手書きでOK!)ざっくりサイズを把握しよう!
- 土台は120cm四方×高さ40cmくらいがオススメ!
- ピザ窯本体は幅90cm×高さ110cm×奥行き100cmくらいがオススメ!
予算はいくら必要?
僕の場合は材料をすべてホームセンターで購入して、かかった総費用は92,092円でした。
材料 | 単価(税込) | 数量 | 計 |
アサヒキャスター (耐火コンクリート) |
4,298円 | 8袋 | 34,384円 |
耐火レンガ | 218円 | 131個 | 28,558円 |
コンクリートレンガ | 52円 | 48個 | 2,496円 |
コンクリートブロック | 102円 | 22個 | 2,244円 |
インスタントセメント | 592円 | 2袋 | 1,184円 |
コンクリート柵板 | 1,780円 | 4枚 | 7,120円 |
表の合計は75,986円ですが、他にもちょっとずつ地味にかかったりして92,092円になりました。
あんまり計画を立てずに作っていったので、もっとスケジュールを立てて効率よく作れば、あくまで雑感ですがアサヒキャスターは2袋くらい削減できるかもしれません。
ま、だいたい10万弱くらいでできるよ!というイメージで良いと思います。
実際に作ってみよう!
制作メンバーは?何人くらい必要?
がんばれば1人でも作れるとは思いますが、運動部経験のある大人の男性2~3人くらいが一番良いと思います。
作ってみて思いましたが、やはりコンクリートが相手なので、乾くまで次の工程にいけなかったりと、1つ1つ順番に進めていく必要があるので、たぶん4人5人いても人手が余ると思います。実際重たいものを持ったり動かしたりと、作業的に重労働な部分もあるので、1人だとちょっとしんどいかなと。寂しいし。あとは、時間が有り余ってる大学生とかなら良いですが、社会人が4~5人となると予定を合わせるのも大変だと思いますので、やはり2人くらいで作っちゃうのがオススメです。
総工期間は?どのくらいかかるの?
まったく知識の無いドシロート男2人で作ったので、これも今からもう一つ作るならもっと短縮できると思いますが、実際には
1日目(約8時間作業)の成果
- 土台の足場であるブロックの積み上げ
- 焼き床で使うコンクリート板の作成(型を作ってアサヒキャスター流し込む)
2日目(約13時間作業)の成果
- 土台の足場にコンクリート柵板を固定
- 燃焼室(2層式の1段目)完成
- 焼き床(2層式の2段目)のレンガ1段目まで
- アーチ型のためのカマボコ木型
3日目(約6時間作業)の成果
- アーチ型の土台となる外側のレンガ積み
- アーチ型作成に必要な木製楔のカット
- アーチ型(2層式の2段目)の天井
4日目(約6時間作業)の成果
- アーチ型の内側のスキマ埋め
- アーチ型の背面に耐火レンガ積み上げ(穴を塞ぐ)
- 耐火レンガで煙突作成
5日目(約4時間作業)の成果
- アーチ型の前面に耐火レンガを積み上げ(ピザの入り口)
- ピザ窯、完成!
ということで、男2人で総工期間5日間にして、総作業時間37時間でした!大判耐火レンガが用意できていれば4日目で完成できていたはずですけどね。
材料や道具は?ホームセンターで手に入る?
以下のものが手に入ればなんとかなります。
■主な材料
- アサヒキャスター(耐火コンクリート)
価格:3,575円 |
- 耐火レンガ
耐火煉瓦SK32 【石材】【壁・花壇用積レンガ】【アンティーク】【レンガ】【床用】【ガーデン】【エクステリア】【暖炉】【バーベキューコンロ】【キャンプ】【ピザ窯】【陶芸窯】【JISサイズ】 価格:253円 |
- 大判耐火レンガ
耐火レンガ SK34 平6丁掛 大判レンガ ピザ窯用 DIY 手作り ピザ釜 当店取り扱いの耐火レンガは全て日本製です。 価格:6,820円 |
- 目地バック
価格:242円 |
■主な道具(レンタルでOK)
- ディスクグラインダー
- ジグソー
上記のものはもしかしたら取り扱いが無いかもしれないので、一度最寄りのホームセンターに連絡して確認してみてください。その他コンクリートブロックやコンクリートを混ぜる箱、スコップなどはホームセンターならどこでもあると思うので確認しなくても良いかと(無かったらごめん)。
管理方法は?メンテナンスは必要??
耐火レンガや耐火コンクリートは熱には強いですが、水には弱いです。つまり、雨にあたるのはNG。中には全面にタイルを貼って全天候型にアップグレードしている人もいるようですが、素人には難易度が高すぎるので、普通にブルーシートなどで覆っておきましょう。それで十分雨風は凌げます。
実は、ピザパーティを何度かしたところで背面の一番上のところにスキマができて煙が漏れてきたので、一度だけアサヒキャスターで補強しました。どうしても熱や水分量によって全体的に伸縮してしまって多少ヒビが入ったりするのはしょうがないのですが、どうしても気になる人や、そのせいで窯の温度が上がりにくいなどの問題が発生している場合は、定期的に補強するなどのメンテナンス作業が必要になるかもしれません。僕はあんまり気にならないので一度だけ補強してからは普通に使用し続けています。まったく問題有りません。
できあがりまでの軌跡
写真でスタートからできあがりまで振り返ってみます。思い出が呼び起こされて、どんどんできていくのが感慨深いですね。
コンクリートを乾かして固める時間が間に必要になるので、どうしても数日間かかってしまいますが、このように順番に作業していって、ピザ窯を作成します。
細かい作業に関しては過去の記事を参照して頂ければと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ピザ窯をDIYするにはさまざまなハードルがありますが、決して遠く手の届かないことでもありません。
友だち数人と約9万円を支払って、5日間37時間作業すれば、あなたの人生に「ピザ窯」という遊び道具がプラスされます。
1人で美味しいピザの研究をするもよし、お友達とピザパーティをするもよし。
場所の問題もあるので「誰でもカンタンに」とまではいきませんが、できる条件が揃っているのなら、検討してみてもいいのではないでしょうか?
みなさんの人生がよりおもしろくなることを祈っております。
ではでは☆
(ピザパーティの様子はこちら↓)